2011年の映画ウォーリアーを見ました。

総合格闘技会の世界を舞台に家族関係を描いた人間ドラマで話題になっていてかねてより見たかった作品の一つです。

採点 4.5/5

素晴らしい作品でした。

ネタバレなく見ることをお勧めします!!

ウォーリアー [DVD]

あらすじ

かつて父の指導を受け学生時代レスリングの世界で名を馳せていたトミー。

しかし彼の父親はアルコール中毒で彼と母に暴力を振るいトミーは母とともに家を出て、海兵隊に入隊する。

とある理由で海兵隊を退役した彼は病没した母を思い父を憎みつつもある理由から大金を得るために総合格闘技の大会スパルタに出るため父のもとに帰ってくる。

一方彼の兄のブレンダンは家庭を持ち教師をしながらもある理由からスパルタの大会に出ることになる…

以下ネタバレあり

冒頭

トミーは実家に帰ってくる。

父は1人で暮らし、彼らに暴力をふるったことを心から後悔して3年間禁酒していた。

そんな父を見たトミーは酒を飲んでいるあんたのほうがいいと複雑な心境を示す。

一方ブレンダンは妻、2人の娘とともに幸せな生活を送っていた。

スパルタで500万ドルの賞金を得るためにジムに入会するトミー。

ジムの中で最も強い選手のスパーリング相手を買って出た彼は責任はとらないと言われながらヘッドギアなしで相手をする。

そこで舐めてかかる相手を文字通りボコボコにし、最後はコーナーに追い詰め左フックでKOする。

ブレンダンは銀行にローンの相談をしている。

心臓病の娘の治療費がかさみ今の家、生活の維持が難しいブレンダン。

銀行にも相手にされず途方にくれる。

家では父がレスリングのビデオを見ている。

そこにジムのトレーナーのコルトが来る

そこでミドル級チャンプを倒したことを聞くが彼はコルトを追い返す。

ブレンダンは総合格闘技の試合に出ている。

相手は見るからに凶暴そうな男で5分3ラウンドで行われる。

右フックをもらい、タックルもかわされるブレンダン。

しかし、ロープ際での攻防で優位に立ち、バックドロップからのマウントを奪いパウンドで見事勝利する。

しかしこのイベントは勝ち進まなければ金をもらえない方式だった。

朝に帰宅した彼だが右目を大きく腫らして帰ってくる。それを見た妻にクラブではなく総合格闘技の試合に出たことを告白する。

妻に金を渡し、このままでは3ヶ月で家を失うというブレンダンだが、妻はそれでもあなたが救急車で運ばれるよりマシだと言う。

戦いをやめるように懇願する妻だが、ブレンダンの顔は浮かない。

父がいる店に行くトミー。

そこで父に格闘技を始めると告白。

ミドル級のトーナメントに出場したい旨を父に言う、そしてトレーナーを父に頼む。

しかし、レーニング以外の話はしたくないと言うトミー。

それに対して不要な薬などは今すぐやめるようにトレーナーとして言う父。

トミーは薬をポケットから出し、父が取り、家に寝泊まりするように要求。トミーはその条件を飲む。

学校ではブレンダンが総合格闘技の試合に出ていることが噂になっている。

校長に呼ばれるブレンダン。

金がいると言うブレンダンだが度が過ぎていると言われ、停職、無給の処分になる。

家で妻と途方にくれるが、試合ならいくらでもあり、金を稼げると言うブレンダン。

ジムに訪れるブレンダン。そこでの昔のジム仲間と話す彼。

彼に銀行に家を取られることを話し、総合格闘技の試合で金を稼ぐことを伝える。

しかし、友人は昔自分の指示に従わず5割程度の勝率だったことを指摘し、気が進まなかったが、停職中で金がないことを知ると、協力することになる。

その夜ブレンダンと会う父。

アルコール中毒が治るまで電話か手紙でしか会話したくないと言うブレンダン。

食事をしたり孫に会いたいと言う父だが、ブレンダンに拒絶されてしまう

ブレンダンの去り際にトミーが戻ってきたことを伝えるとブレンダンは興味を示すがトミーからの伝言がないことを知るとブレンダンは自分が父から逃げなかったのは構って欲しかったから。だが父はトミーのことしか気に留めず、負けてばかりのブレンダンには構わなかったことを指摘する。

父は昔の自分を許してほしいと懇願する。

ブレンダンは許すことはできても信用はしないとバッサリ切り捨てる。

家族が玄関まで見にきて話しかける父だがブレンダンはただの老人だと言い、ドアを閉める。

孤独感に包まれる父。

トミーはアジア系の女性に電話している。

柔和な笑顔を見せ、約束したことを語るトミー。

彼らのことは俺が守るそして大金を得るチャンスが来たと語るトミー。

スパルタまでのカウントダウンが始まり、ここから2人のジムワークやロードワークの映像が流れる。

試合に出て勝利を重ねるブレンダン。

ジムの看板マルコにも関節技でタップを奪う。

駐車場でブレンダンは大怪我をしたマルコの代わりに、スパルタに出るとコーチに伝える。

死ぬ気で戦うと言う彼だがだからこそ心配だとし悩むトレーナー。

しかし、大丈夫だと伝える彼の目を見てスパルタへの出場が決まる。

正式にスパルタへの出場が決まった彼に妻は一緒に決めたことではないと伝え不満を示す。

彼女はお金の問題ではなくブレンダンの命を心配していた。

しかしブレンダンはやらなければ家を失うと言い、『俺は出場する。できれば応援してくれ。』と言う。妻は試合は見ない。といい、家に入ってしまう。

迎えた試合前日ブレンダンと、トミーは別々に現地に到着した。

そこでブレンダンはトミー見つける。

見つめ会う2人だが邪魔が入る。ブレンダンは父の姿も目撃し、トミーと父がまたタッグを組んでいると悟る。

父はホテルでテレビを見ている。

そこでトミーが海兵隊で彼が兵士の命を救った

英雄であることがテレビインタビューで語られる。トミーを呼ぶ父だが、トミーはそれを見た時部屋を出てしまう。

部屋を出たトミーは砂浜でブレンダンと向かい合う。

よそよそしい会話をする二人。どこかで話そうと言うブレンダンだがここでいいとトミーは言う。

自分たちが逃げる計画を知りながら父と今の妻を選んだと言うトミー。

トミーは娘が生まれたと言うブレンダンに自分には関係ないとし、海兵隊が兄弟だと言い放つ。

ブレンダンは自分を許さず父を許すのかと問う。

トミーはあいつとはトレーナーの関係だと言い、許すとか簡単に言うなという

トミーは自分と母を許したというブレンダンに兄が必要だったのにこず自分が母を埋葬する羽目になったと言う。

ブレンダンは辛いのはお前だけじゃないというがトミーはブレンダンを否定し、話は終わりだと言い放ち、背を向けてしまう。

その頃学校では生徒たちはブレンダンのスパルタの試合を学校でみたいという。が校長に拒否されてしまう。

迎えた当日

16人のトーナメントが始まる。

控え室でトミーと父は言葉少なに過ごす。

トミーの一回戦。入場時肩を揉む父を拒絶しリングに向かう。

その頃ブレンダンは縄跳びしながら控え室でウォームアップをする。トミーの試合は見ないようだ。

トミーの一回戦 試合はオクタゴンで行われる

試合開始早々カウンターの左フックで一発KOするトミー。

彼は何も言わずにリングを去る。

ブレンダンの一回戦

緊張の中彼は控え室でトレーナーと向き合い言葉を交わす。

入場時言葉を送る父をブレンダンは冷たい視線で返す。

下馬評では圧倒的に不利なブレンダンは解説にも酷評されている。

試合は足を取るブレンダン。しかし網に押しかけられ、マウントを取られる

締めに入られるブレンダン。何とか持ちこたえ、1ラウンドを乗り切る。

2ラウンド

妻はそわそわしていて家事がおぼつかない。

足を取り、テイクダウンを奪うブレンダン。

さらに腕を取りタップダウンを奪い逆転勝利を収める。

父、妻の父も試合を見て喜ぶ。

妻も携帯のテキスト速報で、勝利を喜ぶ。

ブレンダンの二回戦

テレビで試合を見ている妻

劣勢からテイクダウンを奪い、腕関節でタップを奪う。その後、興奮した彼は少し父と言葉を交わす。

リーの二回戦

スラッガーらしく一方的に迫るリー。

圧倒的な強さで勝ち進み、すぐにリングを去る

試合後カジノに行く父

リーはスロットとしており、父は話しかけ軍での行いを褒めるが自分は軍を逃げ出し、助けたのは隊から逃げ出している途中だったと告白する

理由を聞く父にトミーは理解しようとするふりをするなという。

努力はしているという父だがトミーは過去は変えられないとし、自分と兄は父を必要としていないと告げる。酒にやってるあんたの方が根性はあったと告げ、コインを投げつけ消えろと言う。

父は悲しそうな表情で去って行く。

翌日

ホテルの部屋で叫ぶ父

トミーが見に行くと父は酒を飲んでいた。

トミーに船乗り時代の暴言を吐く父。トミーは父に酒を渡せと言い、抱き合う二人。

もう元には戻れないと何度も言う父。そして2人をいつも愛していたと告げる父。トミーは何も言わず父を抱きしめ続ける。

トミーの三回戦

父は来ていない。海兵隊がトミーの試合の応援にかけつけ、リングに上がる。

相手はかつてジムでボコボコにしたマッド・ドッグ。

復讐心の強いマッド・ドッグはやる気満々。

しかし開始早々タックルをかましたトミーがマウントを取りパウンドで何もさせずKOしてみせる。

ブレンダンの三回戦

生徒たちが野外シアターで応援している。

妻もリングサイドに応援に来ていた。愛してると告げる妻。

相手は優勝候補のコーバ

異様な雰囲気に心配そうな妻。

桁外れのパワーに押されるブレンダン。

何とか1ラウンドを乗り切る

にラウンド

またまた押され、ジャーマンや投げを何度もくらってしまう。何とか2ラウンドもしのぐ。

しかし解説も妻もブレンダンが殺されてしまうのではないかと心配する

インターバルでトレーナーに倒さなければ勝てないとハッパをかけられるブレンダン。

3ラウンド

パワーで押されるが抵抗し、タックルを繰り出すがギロチンチョークを食らうしかし投げ飛ばし腕を狙うが外れる。

強烈な膝を繰り出し、足を取るブレンダン。

膝固めを繰り出しタップアウトを見事に奪う

ダークホースのブレンダンの快進撃に会場は興奮のるつぼだ。

トミーのニュースが流れる。

誤爆による仲間の死で軍隊を離れたのだった。

かつて電話していた助成は死んだ隊員の妻だったトミーは仲間の家族のために金が必要なのだった。

さらに驚きのニュース。

ブレンダンとトミーが兄弟であることがニュースで流れる。

控え室で妻にどうするの?と聞かれたブレンダンは戦うと明言

会場に向かう父。複雑そうな表情をしている。

いよいよ2人の決勝戦が始まる。

リングに上がるブレンダン。1人でリングに向かうトミー。

向かい合った際、親父は?と告げるブレンダンをトミーは無視する。

1ラウンド

トミーは打撃をかまして行く

マウントを取り、優位に立ち、何度もマットに叩きつけるトミー。終了後に一発どつくトミー

注意が与えられる。

2ラウンド

正面からくるトミー。強烈な打撃で優位に立つ。返すブレンダンだが、トミーにマットに叩きつけられ、マウントを取られる。終了後も攻撃をやめないトミー

3ラウンド

マウントをとったトミーだったが、隙をついてブレンダンが、腕を取り、タップしないトミーの肩を外す。ラウンド終了後網に叩きつける

肩を外したかもと告げるトレーナーの声を聞いたブレンダンはレフェリーを呼ぶがトレーナーに止められる。

4ラウンド

腕が上がらないトミー。

戦うことをやめないトミーにブレンダンは勝負はついたと叫ぶがトミーは戦い続ける

網に叩きつけるブレンダン。あみぎわでグロッキーになるトミーを見て躊躇するブレンダン。

来いよと言うトミー。攻撃を加えるブレンダン。妻はもう見ていられない。

父もこのラウンドから会場で見ているが無言で悲しげな表情だ。

5ラウンド

悲しげな表情で向き合う2人。

腕が上がらないトミーとの戦いを拒絶するブレンダンだが、意を決してハイキックからの関節で締める。

タップしないトミーにブレンダンはトミーに愛してると告げる。その瞬間トミーはタップする。

ブレンダンの優勝だ。しかしブレンダンは歓声に答えずトミーと抱き合う。額を付け合う2人。戦いを経て和解した瞬間だった。

泣きながら叫ぶ妻。興奮する観客。

涙を流すトミー。ブレンダンはトミーを抱き抱え、2人で会場を出る

涙を流す父。

2人は寄り添いながら控え室に帰って行く。

所感

グレートな作品でした。

話題になっていた試合のシーンの迫力だけでなく主人公一家のドラマ、和解がこの映画の全てでしょう。

個人的にグッと来た部分はトミーがホテルで父を抱きしめた場面です。

トミーは父を寝かしつけ、1人でリングに向かいます。

僕はこれをトミーが父を許し、残った兄との和解を果たすために1人でリングに上がったのだと解釈しました。

2人の戦いは言わずもがなですが勝ち負けなどは2人にとってはどうでもいいこと。

何年も前に無くしてしまった大切なものを2人はともに探し、最後は見つけたのではないでしょうか。

人間関係は壊すことはとても簡単ですが、作り直すことはとても難しい

きっとトミーはブレンダンのことも父のこともとっくに許していたのだと思います。

しかし、許してしまうと自分が今まで拠り所にしていたものをなくしてしまう。それが怖かったのだと僕は思います。

2人はお互いの主張をぶつけ合い、関係の修復という最善の結果に至ったのではないでしょうか。

ストレートでグッとくる作品でした。

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