1999年の映画『アメリカン・ビューティー』を見ました!!
アカデミー賞5部門に輝いた異色の問題作にしてサム・メンデス監督の傑作と言われています!!
アメリカの平凡な家族が崩壊していく様をコミカルに描いており、さまざまな社会問題を風刺しております。
採点4.4/5.0
感想は賛否両論ですが、映画としての出来は素晴らしいの一言です。映画好きなら必ず見て欲しいですね。
あらすじ
郊外で妻と高校生の娘と暮らすレスター。
ところが、彼はリストラされてしまい、これがきっかけで彼の家庭、人生は徐々に崩壊していってしまう…
以下ネタバレあり
冒頭父親をディスる娘ジェーン。の恋人に父を殺して欲しいと告げる。
さらにナレーションでレスターはこれから自身の生活に変化が起こり、1年間の間に自分は死ぬと客に告げる新しい手法。
ある日起きたレスターはシャワーで自慰をして妻のキャロリン、隣人のゲイのジムが紹介される。レスターはキャロリンにうんざりしている。娘のジェーンは情緒不安定で典型的な思春期の10代だ。
レスターは仕事ができないタイプで鈍臭い。レスターは会社でクビの危機になっている。
隣には新しい隣人が引っ越してくる。
夕食の時ジェーンはかなり反抗的だ。キャロリンとも喧嘩になりかけてレスターはジェーンと仲良くしようとするが、その様子を隣人の少年リッキーがビデオに撮っている。
翌日キャロリンは不動産の仕事をしようとしている。セールスの彼女は必死に売り込むがちょっと客に引かれている。うまくいかない彼女は涙を流してしまう。
チアリーダーをしているジェーンは両親が見にくる事に嫌気がさしている。乗り気ではないレスターだが、ジェーンの親友のブロンドの少女アンジェラを見て恋してしまう。
彼女を見て妄想に耽るレスター。ジェーンを褒め称えてアンジェラにも挨拶する。
アンジェラに話を合わせるレスターにうんざりしているジェーン。
アンジェラはかなりませており、レスターを少し気に入っている。
その夜キャロリンが横になる中で、アンジェラの妄想に耽るレスター。
アンジェラは男は自分を見てメロメロになるとジェーンに語っている。その様子をカメラで撮っているリッキー。ジェーンが気付いて中指を立てながら家に入る。
翌日アンジェラから家にレスター家から電話が来たと電話を受ける。
隣人のリッキーの父親はファシストで軍人のフランクだ。近所のゲイカップルが挨拶に来ると嫌悪感をあらわにする。
リッキーは彼に敬語を使っており、ゲイを見ればムカつくと語っている。
アンジェラは友人に自分が男性経験豊富だと自慢している。ジェーンはアンジェラにリッキーが精神病院に入れられていたことを教える。ジェーンはリッキーに話しかけられて自分に自信を持っていると感じる。
レスターはキャロリンに不動産の仕事に関係のあるパーティに無理やり連れて行かれる。
そこで不動産王のバディと話して媚を売るキャロリン。その前でレスターにキスされてめちゃ嫌そうなキャロリン。
レスターは離れて1人で酒を飲んでいるとウェイターをしていたリッキーと会う。キャロリンとバディは急接近している。
タバコを吸いながらドラッグをやってハイになって話しているリッキーとレスター。キャロリンも来てジェーンと同じ学校だと知る。
家に帰るとアンジェラが遊びに来ている。セクシーにレスターに挨拶するアンジェラ。
今夜泊まると聞いてビールを吐き出してしまうレスター。ジェーンの部屋のドアの前で会話を聞いている。アンジェラがレスターが筋肉をつければ寝てもいいと語っているのを聞いて鍛えることにするレスター。
ガレージで筋トレしているレスターを見るリッキー。彼のだらしない体を撮影している。
レスターはいつもアンジェラの妄想をしており、キャロリンに夢精しているところを見られてしまう。
それで喧嘩になってしまう2人。喧嘩の時だけよく喋るレスターにキャロリンはドン引きしている。
レスターはジョギングも始めてゲイのカップルと走るが、リッキーのフランクにディスられる。フランクはレスターと仲のいいリッキーに不満そうだ。
リッキーは自分の部屋でレスターにクサを売る。そして自宅で筋トレしているレスターにドン引きするキャロリン。
マリファナを吸うレスターにご立腹なキャロリンとの関係は日に日に悪くなっている。
会社では個人評価表に会社の悪口を書きまくるレスターはクビにされてしまう。しかし社長が会社の金を風俗に使ったことをバラすと脅して1年分の給料をもらって退職する。
キャロリンはバディと会って、バディが妻と別居することになったことを聞く。
リッキーは学校で死んだ鳥を撮影していてジェーンとアンジェラにドンびかれる。
しかしジェーンはリッキーがきになるようで、車に乗らずにリッキーと帰ることになる。
キャロリンとバディは不倫している。
意気揚々と帰るレスターはバーガー店でバイトの面接を受ける。
リッキーはジェーンを家に連れてくるが、母は放心状態だ。銃が好きなフランクの部屋を見せて彼がネオナチであることを教える。
2人はリッキーの映像作品を見てキスをする。
夕飯に遅れてくるジェーン。キャロリンはレスターが仕事を辞めた話を聞いてかなり情緒不安定になっている。
喧嘩になって皿を思い切り壁に投げつけるレスター。空気が凍ってしまう。
キャロリンを力で抑えるようになる。
キャロリンはジェーンに最後に頼りになるのは自分だけだと語り、センチなホームドラマはやめろというジェーンをビンタする。
その様子を撮っていたリッキーと見つめ会うジェーン。ジェーンは上半身裸になってその様子を撮影するも、そこに部屋に入ったことを知ったフランクが入ってきてリッキーは殴られてしまう。
説教するフランクにリッキーは自分を導いて欲しいと従順なふりをする。
キャロリンはバディに勧められた射撃をしている。帰ると家で勝手に車を買ったレスターにうんざりしている。
レスターはキャロリンを誘うがビールをソファーにこぼしてしまって喧嘩になる。
ジェーンとリッキーは関係を持ってリッキーが人を殺しかけたため精神科に入れられたことを語る。
ジェーンはレスターへの不満を語り、リッキーに父を殺して欲しいと告げる。
そして冗談だと訂正して2人は共にベッドで寝る。
ランニングするレスター。ジェーンは怪訝そうな目でレスターを見ている。ジェーンはキャロリンにアンジェラを今夜泊まると告げてレスターにレスターが恥ずかしくてアンジェラを呼べなかったと喧嘩になる。
フランクはリッキーがレスター一家と仲良くなっていることをよく思っていない。
リッキーの部屋でリッキーが撮った映像を再生して筋トレしているレスターの映像が写り、リッキーをゲイだと勘違いする。
レスターはバーガー店でのアルバイト中にキャロリンとバディの不倫現場に遭遇する。
レスターはキャロリンに2度と自分に指図するなと告げる。
バディはキャロリンに当分会わないでおこうと告げ、キャロリンは涙を流す。
筋トレの成果が出てきているレスター。上半身裸でリッキーと仲良く話している姿をフランクが見ていて、彼の視点には2人が関係を持っているように見える。
ジェーンとアンジェラが来てアンジェラはレスターの肉体に惚れ惚れとする。
リッキーが部屋に戻るとフランクがおり、リッキーは暴力を振られてしまい、死んだ方がマシだと言われリッキーは自分を受け入れないフランクを軽蔑して去る。
フランクは涙を流してリッキーは母に別れを告げて家を出る。キャロリンはラジオの放送を聞いて自由を取るため銃を取り出す。
ジェーンはアンジェラと喧嘩してレスターと寝るなと話す。そこにリッキーが来て家を出るから付いてくるようにいい、ジェーンはリッキーとニューヨークに向かうことになる。
アンジェラはリッキーをサイコやろうと罵るが、2人にモテることを自慢する君は醜いと告げられ部屋を飛び出して階段で1人泣く。
レスターがガレージで筋トレしていると雨の中フランクが来る。リッキーを失ったフランクはレスターとの会話でレスターをゲイだと勘違いしてキスをするが、レスターは拒否する。実はフランクはゲイだった。
勘違いに気づいたフランクは1人去っていく。
キャロリンは銃を手にレスターを殺す決意をする。レスターがリビングにいるとアンジェラに誘惑される。
2人はキスを交わしてキャロリンは家に向かいながら殺す予行演習をしている。
関係を持とうとするアンジェラとレスターだが、直前でアンジェラは処女であることを告げる。彼女はただのワナビーだった。
レスターはアンジェラを抱くことをやめて泣き出すアンジェラを優しく抱きしめる。
レスターはジェーンの最近のことをアンジェラに聞いてジェーンに関心を持っている。
リッキーとの恋で幸せだと聞いて笑顔を見せるレスター。アンジェラの幸せか?との問いかけに幸せだと答える。トイレに行くアンジェラ。
笑顔のレスターは幸せだと呟いて家族写真を見ている。その背後から何者かが頭に銃を突きつけ、鮮血が部屋に溢れる。
銃声を聞いたジェーンとリッキーはレスターの死体を発見し、レスターのナレーションで彼の人生の回想が入る。
家に帰ってきたキャロリンは大泣きしながらレスターの服に抱きついて泣き叫ぶ。犯人のフランクは家に帰って血を洗い流す。
レスターはナレーションで美しいものは過ぎ去って行ったが、死ぬときには全ての人生の出来事に感謝できると告げて幕は閉じる。
所感
暇なポイントがありません…
内容はかなり重いし、冒頭から結末がわかるすごく斬新な映画でした。この映画はとにかく皮肉たっぷりでレスターの死後彼らがどうなったのかは全く語られていません。
感想に関しては賛否両論ある本作ですが、ただ1つ言えるのは映画としての出来は素晴らしいことです。伏線の回収は本当に見事で登場人物全てに強力な個性がありましたね。
いかに幸せというものが儚くて、それを維持するのにどれだけの努力が必要なのか、人との関わり合いの大切さと日々の大切さを痛感させられる映画でしたね。